充実した健全なオフィス環境を確立するための8つのヒント
フィットネス/健康面トピックス
充実した健全なオフィス環境を確立するための8つのヒント
社員の意欲を高め、主体性を引き出す上で、健全なオフィス環境はおそらく最も重要な側面のひとつと言えるでしょう。社員を後押しし、生産性を伸ばす充実した環境を整えることが極めて重要になります。ここでは、社員の心身の健康に配慮したポジティブなオフィス環境を確立するための8つのポイントをご紹介します。
1.フレキシブルな働き方を取り入れる
もしも現在の労働環境が、過密スケジュールで、休憩もほとんどないような状態なのであれば、社員の士気は下がり、会社の生産性は低下の一途をたどることでしょう。厳しい管理体制を敷くやり方は、社員のモチベーション向上には繋がりません。今日では、仕事と私生活のバランスをうまく保つことがこれまで以上に重視されており、フレキシブルな勤務形態を採用する会社がより好まれる傾向にあります。仕事以外のことに情熱を傾けられる時間的余裕がなければ、仕事でも高い成果をあげることはできません。小まめな休憩時間を取り入れたり、在宅勤務という選択肢を加えたりすることに加え、フレックスタイム制を導入することで、会社に行くことが楽しみになるようなオフィス環境が形成されます。
2.健康・フィットネスを奨励する
社員のウェルネスに対する関心を高めましょう。「健康やフィットネスを奨励する」と言うと、健康に関する有益な知識を周知させればよいと考えられがちですが、単に情報をシェアするだけでは、実際に社員を動かすことはできません。代わりに、フィットネスの楽しさを社員に体験的に知ってもらうアプローチをとりましょう。たとえば、ヨガレッスンの開催やフィットネスクラブの会員登録に対する割引制度、さまざまなフィットネスチャレンジ企画、オフィスでのヘルシーなスナックの提供などのアイデアは、多くの会社で成功しており、社員間にポジティブな意識をもたらすことにもつながります。
オフィス内に小さな空きスペースがあるなら、トレーニングチューブ、メディシンボール、トレッドミル(減量および心機能の強化が促進されます)などを設置するだけでたちまち、空きスペースを有効なフィットネス空間に変えることも可能です。こうした社員の健康に重点を置いたアプローチは、会社としての生産性の向上につながり、さらに、医療費が減少し欠勤回数も減ることから、長期的にはコスト削減にもつながる可能性があります。
3.充実した福利厚生を提供する
給料を上げることこそが、社員の満足度を上げる鍵であると雇用者は思いがちですが、社員にとっては、昇給よりも価値あるインセンティブがほかにも多くあります。これは特に、仕事に対する考え方が他の世代とは異なるミレニアル世代の場合に顕著です。例えば、福利厚生を充実させて、社員を大切にしている姿勢を明確に示しましょう。
Facebook、Googleなどのトップ企業は、社員の満足度を高く維持するためのさまざまな手当を用意しています。 託児施設、有給休暇、健康保険、ウェルネスプログラム、そして社員の生活の質を向上させるその他の福利厚生が充実していれば、社員の仕事に対する長期的な満足度は上がり、離職率は低下します。
4.コミュニケーションの重要性を理解する
労働環境をポジティブで健全なものにするためには、マネージャーと部下との間の良好なコミュニケーションが不可欠です。マネージャーからチームへの指示は、明確かつ率直な形でなければなりません。問題が発生した場合には先送りにせず、速やかに対処することが極めて重要です。問題を検討し、解決策を探り、今後の予防策を話し合います。自分の意見がチームに届いていると感じられれば、社員のストレスは軽減され、オフィスの雰囲気も明るくなります。社員がマネージャーと気兼ねなくコミュニケーションが取れる職場では、社内の透明性が向上し、質の高いコラボレーションが生み出されます。
5.社員が成長できる機会を十分に提供する
仕事を通じて自分の成長を感じられるとき、人は仕事への意欲や主体性が高まるものです。調査からも、仕事において成長とキャリアアップの機会が十分に用意されているかどうかが、社員の満足度を左右する最も決定的な要因であることがわかっています。雇用者は専門的な職業教育のトレーニングコースや学習支援などを通して、社員にキャリアアップの機会を提供することができます。さらに、現在の業務ポジション内でも成長の可能性があると、社員が感じられることが非常に重要です。成長の機会を十分に設けることで、社員の士気を高め、各々が組織においてかけがえのない存在なのだと実感できるようになります。
6.社員のニーズを理解する
綿密なプランニングや目標設定だけでなく、目標達成のために必要なツール(トレーニング・教育制度等)を社員に提供することも重要です。マネージャーは社員のニーズを把握し、社員が生産性を上げてより良い結果を生み出せるよう、適切なリソースを用意する必要があります。オフィスに新鮮なフルーツを差し入れる、カウンセリングやフィットネスクラブのメンバーシップを提供するなど、サポート方法はシンプルですが、それらは必ず、社員のニーズに基づいたソリューションを、社員が利用しやすい形で提供することが重要です。自分たちのニーズが満たされている職場では、社員は仕事によりやりがいを感じ、自分の会社をより好意的に評価するようになります。
7.健康的な食習慣を奨励する
社員の食習慣にも気を配り、プロテインバー、オートミール、フルーツなどの健康的なスナックをオフィスに常備しましょう。また温かい飲み物を好む人のためには、紅茶、コーヒー、お湯を利用できるようにしましょう。中には、このアプローチをさらに推し進めてヘルシーな朝食やランチのオプションを提供している会社もあります。これらはすべて、栄養面を考慮した食品を提供し、より健康的な食習慣を奨励することで、一日を通して社員の集中力と生産性を向上することが目的です。社員の健康的な食習慣を奨励することは、会社にとって長期的な利益につながるのです。
8.心の健康(メンタルヘルス)を重要視する
過去 10 年の間に、メンタルヘルスの重要性を見直す機運が高まってきています。心の病につきまとっていたマイナスイメージがようやく少しずつ薄れ、助けを必要とする人たちがより迅速に援助を受けられるようになりました。会社には、メンタルヘルス面の問題について開かれた対応が取れる職場環境を整えていく責任がありますし、マネージャーは、社員がストレスや個人的な問題を抱えている場合には必要に応じてオープンに助けを求めるよう奨励する必要があります。
人事課には、メンタルヘルスにかかわるセンシティブな事項を正しく取り扱えるようしかるべく訓練された人員を配属しなければなりません。また、専門的なアドバイスやカウンセリングを提供する地域のメンタルヘルスサポートネットワークにも社員がアクセスできるよう、情報を共有しておく必要があります。
最後に
私たちの多くは、社会人としての生活のかなりの部分を会社で過ごします。正社員の場合、概して毎週30時間以上も働いている計算になります。したがって、社員が満足できるポジティブな労働環境を整えて会社の生産性を伸ばし、社員の定着率を上げることがこれまで以上に重要になっています。仕事では目が回るほど忙しい日やストレスのたまる出来事もありますが、快適で健全な労働環境を推進することで、社員たちは安定したポジティブな気持ちを維持することができます。労働環境は、社員の幸福度や労働意欲、生産性、効率性を大きく左右する要因なのです。