メンバーの維持:エクササイズ習慣の構築には
フィットネスジム経営者向け
メンバーの維持:エクササイズ習慣の構築には
メンバー維持率を向上させることの重要性はおそらく、どのクラブオーナーにとっても一番の関心事でしょう。これは施設が直面する最大の課題です。新規参加者を引き込むために費用と労力をかけているにもかかわらず、なぜこのように難しいのでしょうか。特別なメンバーシップキャンペーンや販促活動をしているオープンまもない魅力的な新しいスタジオと競合することは、その理由になりえます。しかし、本当にそうでしょうか。
メンバーの維持は、メンバーシップを伸ばす上で非常にコスト効果の高い方法です。 Harvard Business Review (英語)にはこう書かれています。「特定の業界に応じて、新規顧客の獲得は既存顧客維持の5~25倍のコストがかかる。」メンバーが維持されれば、クラブの純利益にとっても大きなプラスとなります。 a study by Bain & Company(英語)によると、顧客維持率が5%アップしただけで、25%~95%の利益増加につながる可能性があります。
一度入会したメンバーを維持する戦略的手段をクラブオーナーが探求し続ける、説得力ある理由があります。施設のメンバー維持率のアップを支えるために実行できる重要な戦略を紹介します。
エクササイズ習慣の維持
エクササイズ環境を提供することは割合簡単です。カーディオエクササイズ機器やトレーニングマシンを購入してフィットネスフロアに設置し、グループクラスのスケジュールを組み、トレーナーを雇えば、クラブを「営業開始」できます。しかし、現実にはそれほど単純ではありません。そうでなければ、どのクラブも成功して多くの忠実なメンバーを多数獲得できるでしょう。
実際には、平均的な利用者にとって、どのクラブも似たりよったりです。
維持率を向上させる包括的な戦略は、参加者の「増加」に注力することです。 ワークアウトを個別化して実施すること、フィットネスとの関与、努力を評価し、改善された点が見えるシステムにすることは、参加者とエクササイズとの関係に影響を与えます。
ジム経営者は、安全で清潔なエクササイズ環境を提供する以外にも、メンバーがエクササイズとうまくつきあい習慣付けれるよう、生涯を通じてメンバーとの関与を育み続ける必要があります。健康を目指してフィットネスに取り組んでいるメンバーとクラブオーナーが深く関わることは、最終的にメンバーの維持率と生涯における価値を増大させます。
次に、エクササイズへのアクセスを提供する主な補助的側面、すなわちメンバーの「増加」をもたらすコミュニティ、スペースプランニング、テクノロジー、プログラミングについて見ていきましょう。
信頼、一体感、コミュニティを構築するためのコミュニケーション
あなたはメンバーとどのようにコミュニケーションを取りますか。 メンバーと関心事や目標について、現在のフィットネスレベルやクラブに足を運ぼうと思っている頻度について、あるいはトレーナーからの指導がどれだけ役に立つと感じているか、話をしますか。
メンバーとの戦略的コミュニケーションプランは、維持率向上に役立ちます。SNS、電子メールマーケティング、イベント、スタッフなど、会員とつながるため施設が使用すべき各種方法やタッチポイントを明確にしましょう。セグメント化を通じて、メンバーの体験を向上させましょう。ミレニアル世代、アクティブなシニア、家族などに分けて、各メンバーとの個人のつながりを強化するコミュニケーションを届けます。
施設データとIHRSAや業界団体、専門家など外部からのデータに基づいて、メンバーと関わりあいを持つプログラムを開発、実施してください。クラブ管理ソフトウェアや設備テクノロジーからの内部データは、メンバーの活動、嗜好、習慣、訪問回数を追跡でき、離れるリスクの高いメンバーを特定します。データ収集をすると、経営者は、メンバーとの関わりあいを活性化させるためにデザインされたプログラムを積極的に実施することができます。
コミュニティを考えたスペースプランニング
参加者数の「増加」に焦点を絞ることには、クラブ環境を全体的に見直すことも含まれます。メンバーとの関わりとコミュニティ構築の意図とその機能に適したスペースをクラブ内に作りましょう。クラブ環境はワークアウトのエリアがあるだけでなく、つながりたいという人のニーズを満たす場所でもあります。
つまり、メンバーのニーズを満たすスペースをデザインします。エクササイズゾーンを定義するのは、人々のつながりとコミュニティを作り上げる良い戦術です。参加者のやる気を刺激するため、施設内のどこに設備を設置するか検討するのもいいでしょう。カーディオエクササイズ機器やファンクショナルトレーニング機器を目立つ場所に設置することは、多くの活動をもたらし、施設にインパクトを作りだすことができます。メンバーのつながりを強めるイベントを行えるよう、グループエクササイズのスタジオスペースに柔軟性を持たせましょう。
別の目的で使えるスペースについて検討してください。使わなくなったラケットボールのコートをファンクショナルカーディオエクササイズゾーンに変え、心拍表示設備などのテクノロジーも一式そろえましょう。フィットネス以外の部分でも、メンバーが交流できるラウンジエリアなども作ることができます。コミュニティのワークスペースを作ることを検討してもいいかもしれません。昼食時に来館するメンバーや勤務時間中にフィットネスを組み込んでいるメンバーに利便性という付加価値をプラスできます。
スペースプランニング時は、柔軟性を忘れないでください。メンバーの言うことに耳を傾け、活動データを分析しましょう。メンバーのニーズが変化したときは、ためらわずに施設内のエリアや設備の再割当を行ってください。
テクノロジー:メンバーの望む方法で利益をもたらす情報を提供
テクノロジーはフィットネス界で革新を起こしています。すでに述べたように、参加者「増加」の重要な鍵を握るのは、ワークアウトを個別化して届けること、参加者のフィットネスとの関わりあい、努力を評価すること、改善に対して見える形にすることです。ネットワーク化されたフィットネスソリューションは、参加者が自分のフィットネス体験を測定、追跡、共有するために役立ちます。これによりトレーナーは、メンバーと直接つながり、進捗をサポートし、奨励することができます。施設内のデジタルプラットフォームもまた、メンバーに対するコミュニケーションの的を効果的に絞り、トレーニングのヒントを共有したり、次のイベントや特別オファーの販促をしたりできます。
アプリ、ウェアラブル、クラウドプラットフォーム、クラブのプログラムを同期させるテクノロジーソフトウェアは、全フィットネスデータとメンバーの関与を続けさせますが、これはおおいにやる気を掻き立てます。機器コンソール(近距離無線通信(NFC)表記あり、またはブルートゥース®ペアリングのテクノロジー付属)で、メンバーのプロフィールデータを記録保存し、燃焼したカロリー、ワークアウトしたスピードや距離などの詳細をクラブ内外で同期できるようになりました。
絶え間なく変化するテクノロジーのランドスケープに関係なく、参加者は健康とフィットネス、減量に関心を抱き、ストレスを常に抱えています。ウェアラブル、アプリ、ソフトウェアなど、テクノロジーは選択の幅が広がっています。メンバー数の「増加」をもたらすため、それらをどのような形で施設内に取り入れるべきか決めてください。人は生活を向上させるための情報を求めます。自身あるいは生活を向上させる情報と学習機会を望んでいます。そうしたものをメンバーが望む形で届けるため、クラブはテクノロジーを利用して、利益をもたらす情報と手段を開発する必要があります。
コミュニティを深めるプログラミング
コミュニティ基盤のアイデアを一晩で実行することはできませんが、取り組みを続けることでメンバー維持率の大きな改善につなげることができます。スモールグループトレーニング(SGT)は、メンバーの「増加」を共同で促すクラブオーナ-にとって非常にパワフルなツールの1つです。
スモールグループトレーニングプログラムは、参加者たちにサポート意識と仲間意識を自然に芽生えさせる、コミュニティ環境を作ります。スモールグループトレーニングをデザインするときは、メンバーの共通点、グループの種類、年齢、活動関心事を利用すると、コミュニティ構築がさらにしやすくなります。
スペースのデザインは、体験の観点からも重要です。ダイナミックな動きの流れをつくり、参加者たちの交流を強化します。各参加者が交流できるようにウォームアップなどをワークアウトに組み込みましょう。それは参加者間、参加者とインストラクターの交流を育みます。ウォームアップ中に交流や会話がしやすくなり、人間関係が構築されます。
フィットネストレーナーは、共有される体験の中心にいる存在です。スモールグループ環境内のコミュニティ作りに一役買います。各人にとって個人的な体験にするだけでなく、モチベーションと人間性を刺激してグループをまとめあげることもできる人物です。
クラブのメンバーとスタッフは、施設最高の資産ですので、積極的にフィードバックを募り、関心事や疑問、懸念などにしっかり耳を傾けてください。この人たちの体験を強化する方法を見つけることができたら、施設内のコミュニティ意識を深めるまであとわずかです。
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